こんにちは。中川運河サステイナブル実行委員会です。
今回は「地域から考えるサステイナブルな未来づくりワークショップ」第2回中間発表報告です。
1回目では「自分(の会社)が次世代につなぎたいもの」を、
名古屋市の中川運河という地域を意識して考えました。
2回目の今回は、より地域の視点にたち、
「私たち(の中川運河)が次世代につなぎたいもの」を発表します。
次回の最終回(3回目)では、実際に地域が連携するときに必要な仕組みや指針
を考えます。
ワークショップの集大成として、どんな指針が出来るでしょうか。
中間発表「何をサステイナブルにしたいか」
中川運河が次世代に手渡したいもの、
それは中川運河のアイデンティティー。
各チームが考えた「中川運河で次世代につなげたいもの」と、それに対する工藤先生のフィードバックをご紹介します。
Aチーム
次世代に手渡したいもの「ものづくりが楽しいという気持ち」
Aチーム
「高校生のインターンシップ受け入れを通して、若者にものづくりの楽しさを伝えたい。そしてものづくり企業を未来に手渡していきたいです。」
Aチーム
「若者が夢を持ち失敗を恐れずに挑戦できる会社・社会を作りたいと思っています!」
工藤先生
「夢をもてる社会、素敵ですね。日本は過去30年間ジリ貧成長だったということあり、社会全体に挑戦できない雰囲気があります。若者だけでなく、全ての人が挑戦できる社会がいいですね。」
工藤先生
「インターンシップを受けて、受け入れた側にも気持ちの変化があったと思います。SDGsでいうと教育は4番目のゴール。地域で次世代を育てていくために、高校生との関わりを続けて下さい。」
Bチーム
次世代に手渡したいもの「雇用を生み出す暮らしの場」
Bチーム
「ただ機械的に働いて賃金を稼ぐのではなく、人と人との助け合いや日々の会話などの『見えない労働』を大切にしたいです。」
Bチーム
「そのために、もっと濃密な人間関係の中で働ける場所をつくりたいです!例えば、様々な分野のプロフェッショナルが集まった工業団地のようなものを考えています。」
工藤先生
「確かに、働くことは賃金を多く稼ぐだけではありませんよね。毎日の家事・子育てがそうですよね。」
工藤先生
「『貨幣は伴わないけれど、それがあることで地域がより整うもの』があれば、日々の生活が豊かになりますね。」
工藤先生
「SDGsは『課題を見つけてどう解決する?』を考えがちですが、豊かに暮らすことは、日々の生活の中で当たり前に感じていることが多いでしょう。こういった『貨幣経済の外側』にあるものに、私も注目しています。」
Cチーム
次世代に手渡したいもの「人と地域を結ぶ文化」
Cチーム
「会社の隣にある西宮神社では、年に1回、西宮祭りが行われます。地域の子どもと大人たちが獅子舞につかまりながら一緒に盛り上がります。」
Cチーム
「運河沿いには他にも7つの神社があります。上流から下流まで糸を結ぶように、お祭りをエリア一帯のものとして復活させたい!そして、人と地域を結ぶ大切なお祭り文化を、未来へつないでいきたいです!」
工藤先生
「私がお伝えした『まもり、つくり、つなげる』ことはまさに、世代を超えて一本の糸を『結』ぶということ。一本取られた気分です(笑)」
工藤先生
「地域に根ざすものは強い結びつきを生み出す一方、『ここ出身者だけで』という意識が強くなりがち。そんななか、みんなが興味を持ち関われるのが『食』です。秋田では、地元のお母さんが家庭料理を教える『うましき台所帖』という企画があります。こうやって食文化をつなぐ例もあります。」
Dチーム
次世代に手渡したいもの「地域の人との交流」
Dチーム
「女性社員が能力を発揮できるよう、2019年から企業主導型保育園、今年に民間学童を設立しました。」
Dチーム
「子どもたちと交流すると、元気をもらえます。園児と地域の人や高齢者との交流をもっと増やし、地域を元気にしたいです!」
工藤先生
「私からは事例紹介を。鹿児島の桜島にあるひより保育園では、地域の農家と協力して子どもの食育を行っています。農家さんが園児に直接調理方法を教え、自分たちの地域の仕事を伝えています。」
工藤先生
「中川運河でも保育園や学童の中で、子どもたちが仕事をする大人の姿を見たり、体験する機会があるといいですね。」
Eチーム
次世代に手渡したいもの「地域間の交流」
Eチーム
「地域の学区や役所の縦割りなど、地域を分断するものをなくしたいです。学区を超えたプロジェクトもあるのですが、地域や施設毎に役所の管轄が異なり、許可取りが大変‥‥‥。」
Eチーム
「中川運河地域圏として、地域全体での交流をもっと盛んにしたいです!」
工藤先生
「横のつながりを作るのって、とても忍耐力が必要です‥‥‥学区や縦割りなど縦の壁を壊すときには、外部の人間が関わるといいときもあります。」
工藤先生
「一般的に、行政は『公平性』を尊重し、民間は『目標達成』を目指すので、異なる2つのロジックをうまく組み合わせてイベントができるといいですね。今までやった連携の中にヒントがあるような気がします。」
まとめ
「地域から考えるサステイナブルな未来づくりワークショップ」第2回中間発表の報告(前半)でした。
工藤先生、たくさんのフィードバックをありがとうございました!
後半では、工藤先生による「秋田県五城目町のサステイナビリティ」講演会の内容をレポートします。
文:今泉 知穂
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