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第1回開催報告:地域から考えるサステイナブルな未来づくりワークショップ

更新日:2022年10月19日

こんにちは。中川運河サステイナブル実行委員会です。



私たちの地元は、名古屋の中川運河という地区。地域の未来のためにできることを日々考え・行動するための拠点として、2022年夏から活動を始めました。



写真:後藤敏夫


さて今回は、私たちが企画した「地域から考えるサステイナブルな未来づくりワークショップ」のご報告です。


サステナビリティ学が専門の工藤尚悟先生国際教養大学国際教養学部グローバル・スタディズ領域准教授)のレクチャーを受けながら、地元企業・行政・学生がチームを組み、それぞれの目線で中川運河エリアのSDGs「18個目のゴール」をつくります。



「地域から考えるサステイナブルな未来づくりワークショップ」

日程:2022年9月16日(金)、2022年11月17日(木)、2023年1月19日(木)の全3回
場所:名古屋都市センター(第1回目)、オンライン(第2回以降)

※現在、申し込み受付は終了しております。


第1回目は、2022年9月16日(金)名古屋都市センターで開催しました。



「地元のために、自分たちでできるSDGsに取り組みたい」主催代表・近藤起久子



私たちがこのワークショップで実現したいこと、それは「地元の皆さんと、サステイナブルな未来を一緒に考える」ことです。


中川運河周辺には、創業50年を超える歴史ある企業が多くあります。

にもかかわらず、地元の繋がりを感じるような機会が少ないことに気づきました。

時代の流れと共に、環境に配慮した経営に切り替えた企業や、地域振興に取り組む企業など「地元のために、自分たちでできるSDGsに取り組みたい」という思いを持つ企業も増えている今、


私たちはこのワークショップをきっかけに、このような思いをもつ地元の企業や自治体、学生との繋がりを作り、私たちの地域の未来・サステイナブルな未来を一緒に考えていきたいと思っています。





第1回目の今回は、先生のレクチャー後に、各チーム活発な議論が行われました。

それでは、レクチャーの内容を詳しくレポートします!




「サステナイビリティの意味とは?」工藤尚悟先生


「サステイナブル」や「SDGs」という言葉は良く聞くけれど、「意味は良くわからないし、説明できない‥‥‥」という方も多いはず。実際、私たちもそうでした。そんな時これらの「もやっとしたわからなさ」や「つかみどころのなさ」を分かりやすく教えてくれる本に出会ったのです



私たちのサステイナビリティ

まもり、つくり、次世代につなげる 

/工藤尚悟(岩波ジュニア新書)










そこで今回は、この本の著者である、サステイナビリテイ学が専門の工藤尚悟博士をお招きし「サステイナビリティ」という言葉の意味、「サステイナブルな状態」の意味、「社会でサステイナブルを考えるために必要な視点」について解説していただきました。


工藤尚悟博士(サステイナビリティ学) 秋田県能代市出身


国際教養大学グローバル・スタディズ領域准教授 研究内容は、縮小高齢社会における持続可能な地域づくりなど


1)「持続可能性」じゃない?語源から考える「サステイナビリティ」の意味

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称。今、地球にあるさまざまな課題(気候変動・経済格差・教育機会の平等など)に対して、私たちが取り組むべき17個の目標です。



では、SDGsのSにあたる「サステイナブル」「サステイナビリティ」とは、どんな意味なのでしょうか?工藤先生のお話によると、「持続可能」と訳されているこの言葉、語源に遡って考えるとイメージが変わってくるそうです。


Sustainの語源はsustinere。これはラテン語で「下から支える」と言う意味です。


出典:「私たちのサステイナビリティ まもり、つくり、次世代につなげる」岩波ジュニア新書



このように語源から考えると「広げた両手にあるものを下から支えてもち、将来世代に手渡す、というイメージが浮かんできます」と工藤先生。



そして、Abilityの本来の意味は「可能性」ではなく、私たちの「能力」。

つまり、Sustainabilityの語源的な意味は「私たち世代が将来世代に伝えたいこと(物理的なもの・考え方)を手渡していける能力」のこと。



「Sustainabilityは『持続可能性』ではなく、こちらの意味で積極的に考えると分かりやすい」と、教えてくれました。





2)サステイナビリティとは「将来世代にわたって、何をまもり・つくり・つなげていきたいのか」を考え、行動すること


こういったサステナビリティが元々含んでいる意味合いを取りこぼさないように、工藤先生がわかりやすい言葉で伝えてくれました。


サステイナビリティとは

今日まで私たちの社会のなかで大事にされてきたことをまもりながら、

これから新しく私たちの社会のなかで大切にされて欲しいことをきちんと大切にできるような仕組みをつくり、

さらにそのような考え方を次世代につなげる、という考え方のこと


つまりサステイナビリティとは「現行世代と将来世代の両方にとって好ましい状態が続いていくようにしよう」という考え方。

社会のあり方を検討していくときの考え方の軸が「私たち世代と将来との公平性にある」のです。


中川運河に置き換えると、

「地域のアイデンティティを守りながら、変えていかなくてはならないことは変えていきながら(ジェンダー不平等など。女性がもっと活躍できる仕組みに変えること)、将来世代につなげていく」ことだと、工藤先生は教えてくれました。




3)「サステイナブルな状態」とは”川のようなもの”

私たちが目指す「サステイナブルな未来」。では、社会や仕組みが「サステイナブルな状態」とは、どういう状態を指すのでしょうか?

サステイナブルとは「常に変化しながらも、本質的な状態や価値が持続されていること」。

例えるなら、川。水が上流から流れ込む一方、下流に流れ出ます。私たちが”川”として認識しているのは、その動きの中の一部分にすぎません。


流れている水は一瞬たりとも同じ水ではないけれど、川は川としての本質が維持されながら、そこにあるのです。

常に水は流れているけれど、川としての本質をとどめたまま、変化し続けている仕組み。それが「サステイナブル」な状態です。


4)「社会のサステイナビリティ」は自然界と違う。必要な視点は”価値観”

自然生態系は、それ自体がサステイナブルな仕組みを持っています。木々や動植物、エネルギーの仕組みが循環し、私たちはその長い時間軸の一部を見ているのです。


では、人間社会においての「サステイナブルな社会」はどうでしょうか?自然の元々のあり様を取り戻した、グリーン社会だけを指すものなのでしょうか?

SDGsの目標を確認すると、3/17が環境に関すること、その他は人間社会の暮らし方・社会・経済・文化のあり方について。SDGsの大部分は、人間社会の生き方を問い直しているのです。

もちろん、自然生態系を維持保全することも大切です。しかし、人間社会のサステイナビリティを考えるときは、「価値観」すなわち「社会として何を大事にするのか?」の問いと、その考えを実現する「仕組み」を示すことも大事な視点。



「若い世代にとって地球環境の心配のない未来が望ましい」

「将来世代が肌の色で差別されない未来が望ましい」

世界では、このような価値観を持つ人たちが自分達の考えを実現するために行動しています。

では、私たちは地元・中川運河で、どのようなサステイナブルな未来を実現したいのでしょうか?

「そもそも私たちは何を持続可能にしたいのか?」

「何を守り、つくり、つなげて行きたいのか?」

誰のために?どんなコストをかけて?どんな仕組みを?


次のワークショップでは、これらを考えていくための最初のステップとして、各自アイディアを出し合いました!



サステイナブルな未来づくりワークショップ:「18個目のSDGsを作ろう」


1)ポイントは「SDGsを批判的に捉えること」


SDGsとは、国連が2030年までの世界共通の目標として17個の目標と169のターゲットを設定したもの(2015年に設定)。

世界各国でオンライン調査を行い、「こういうゴールがあってほしい」という声を最も汲み取った形で作られた目標です。


しかし、17個の目標で本当に世界を網羅できるのでしょうか?

取りこぼされている課題や、大事にされるべき考え方があるのでは?


このように、SDGsを批判的に捉えて、「日常にあったらいいなと思う18個目のゴールを考えてみて下さい」というワークに取り組みました。


2)話し合いの様子


今回のワークショップには、中川運河エリアで100年以上事業をしている地元企業や、都市センターや中川区役所、大学生の5チームに、参加していただきます。


個人ワークとして自分のアイディアをまとめた後に、チームごとに共有。

さらにチームの垣根を越えて隣のチームと意見交換をするなど、活発に議論が進みました。




「若者がもっと夢を持てるようになってほしい」

「地域の交流がうまれてほしい」

「世代ごとの暮らしの困りごとを解決したい」

「名もなき労働を雇用にしたい」

など、素晴らしいアイディが出てきました。



次回は、中間発表に向けて、自習会をおこないます。今後のレポートもお楽しみに!




文:今泉 知穂






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