こんにちは。
中川運河サステイナブル実行委員会です。
「地域から考えるサステイナブルな未来づくりワークショップ」最終発表報告です。
これまでのワークショップでは、サステイナビリティ(まもり、つくり、次世代につなげる)の意味を理解して、「私たちが次世代につなぎたいもの」を明確にしてきました。
今回はついに最終回!
私たちの中川運河を次世代につないでいくための、具体的なアクション(アイデア)を発表します。
今回もサステイナブル学が専門の工藤尚悟先生から、参考事例を交えたフィードバックをいただきました。
工藤尚悟博士(サステイナビリティ学)
秋田県能代市出身
国際教養大学グローバル・スタディズ領域准教授
研究内容は、縮小社会における持続可能な地域づくりなど
(自習会も含めた)全5回のワークショップの集大成を、ぜひご覧ください。
「まもり、つくり、次世代につなげる」もの。中川運河のサステイナブルな未来とは?
Aチーム「夢と歴史を伝える、オープンファクトリー」
中間発表で「若者が夢を持ち、失敗を恐れずに挑戦できる社会の実現を目指したい」と発表したAチーム。
地域の伝統や歴史をまもりながら、
夢を持ってチャレンジできる地域をつくり、
その熱い思いを次世代につないでいきたいと考えました。
それを実現するためのアクションは「景色のお裾分けプロジェクト」
中川運河沿いの企業(工場)が「中川運河の景色を眺める場」として自社の屋上などを提供し、中川運河を深く知る機会としてもらうものです。
「景色を見ながら歴史を伝えたり、工場見学とセットで実施したりすることで、次世代に自社の思いを伝えていきたい」と語ってくれました。
発表では、写真コンテストを実施する案や、各社のホームページで写真を公開する案も。
工藤先生からは「歴史や文化を聞くと、ただ見ているだけの景色が立体的に見える気がします。中川運河の魅力を見える化して残していけば、そこに集まった人たちから新しい交流も生まれます」とコメントをいただきました。
Bチーム「雇用と暮らしをつくる、地域の循環型施設」
中間発表では「人と人との助け合いなど『見えない労働』を大切にしつつ、もっと濃厚な人間関係の中で働ける場をつくりたい」と発表したBチーム。
人と人との関係性をまもりながら、
雇用と暮らしをつくり、
多くの人が集う中川運河の姿を次世代につないでいきたいと考えました。
実現するためのアクションは「循環型住居兼工房 はこぶね」。工房兼シェアハウス兼商業施設という8階建ての建物で、職業と暮らしの場を共有します。
1階:コワーキングスペース、2階:内職ラインシステム、3階:職業訓練校テナント、4〜5階:スーパー・飲食店のテナント、6〜8階:住居やシェアハウス
このアクションで重要なのは、複合型施設内で経済を回すこと(循環型経済)。
例えば、ほうれん草が欲しい人がいます。その人は建物内のスーパーでレジ打ちをして得た労働対価分のチケットで、買い物ができます。
ただ、規模が大きいだけに課題も山積みです。資金調達、土地確保、騒音問題‥‥‥。
1番の懸念は「循環型社会をつくりたいのに、新たに大きな建物を作ることに、何か違和感を感じる」ことだと、Bチームから意見が出ました。
参考事例:テンポラリーアーキテクチャー(仮設建築)とは?実験する町づくりを紹介
この点について工藤先生は、まちづくりの中で使われる「テンポラリーアーキテクチャー」の例を出して答えてくれました。
日本語訳は仮設建築。建物を立てる時に守るべき法制度(耐火のレベルや水回りの設備で一定基準を求めるもの)を緩和して建てた仮の建築という意味です。「安く、早く、簡単につくれる建築のことを指します」(工藤先生)
こうした建築を用いた仮の町づくりが広まっているのは、主にヨーロッパの国々。都市の中に簡単な建材で作った緑空間などを作ります。日本でも2020年11月に神奈川県横浜市で道路活用実験「みっけるみなぶん」が実施されました(ソトノバ参照)。
この建築の利点は「トライ&エラー」ができること。仮設だから簡易なものを作り、ダメだったらすぐに壊して他の方法を試すことができます。
工藤先生は「テンポラリーアーキテクチャーを使えば、低コストでより良い空間の使い道を試行錯誤して考えられる」と教えてくれました。
Cチーム「人と地域をつなぐ、地元のお祭り」
中間発表では「中川運河にある西宮神社を中心に、お祭りを地域全体で楽しむものとして復活させたい」と発表したCチーム。
人と地域のつながりをまもりながら、
新しい地域交流の場をつくり、
地元のお祭りを未来の子どもたちにつないでいきたいと考えました。
実現するためのアクションは「祭りというコミュニティを作る”結”」。
中川運河沿いにある7つの神社を結ぶように、地元の人たち(特に子どもたち)に喜んでもらえるような地域一体のお祭りを復活させます。
「大きなお祭りではなくて、地元に密着したお祭りです。自分の子ども以外の子どもたちと関わることで、地域全体のコミュニティーを広げていきたいです」(Cチーム)
まとめ
以上、Aチーム、Bチーム、Cチームの発表でした。この後、Dチーム、Eチームの最終発表とminiワークを行いました。その様子はレポート後編でご紹介します。お楽しみに!
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